盆の入り
2016-07-13 Wed 21:25
※介護の話が許容外の方はお控え下さい  m(_ _)m





介護日記として



盆の入り。

簡易の精霊棚を設けた。
本来は母のマンションで亡父の盆支度だが、認知症が進みその余裕がなく、
形ばかりながらうちで迎えることにした。



DSC_1561_201607131424152a1.jpg



母は物盗られ症で、それは一番身近で世話をしている人間を泥棒扱いするようになることだ。
母からすればそれが自分。

2年以上前から大事な通帳や印鑑、現金などを心配のあまり色んなところに隠しては、
わからなくなりを繰り返している。
パニックをおこさないよう都度大丈夫だよと一緒に探し、見つかるとふたりで手を叩いて喜んでいた。


症状が進み、母は自分が隠したことすら忘れてしまい、
結果いつも介護をしているわたくしが泥棒と信じ込むようになってしまった。


これはアルツハイマー型の認知症の、特に女性に多いよくある症状。

盗んでいないとの説明はもちろん、証拠を見せても自分の過ちを認めない。
なぜなら自分がやったとは全く思っていないから。
騙されているとしか思えないようだ。


薬で罵倒などの攻撃性を抑えることができるが、
これがまた薬を飲もうとしない。
なぜなら自分が認知症とは全く思っていないから。


本人も家族にも、また介護施設のスタッフなどにも気の毒な病気。


こちらも認知症とわかっていても、今まで地道に真面目にやっていたのが泥棒扱いだから、
愛情を持って接するのが難しい。


朝晩おはよう、おやすみコールのように
「泥棒!〇〇を返してちょうだい!心配でノイローゼになっちゃうわ。」と電話がある。
ノイローゼになるのはこちらで、お母さんは認知症。と心の中で思う。



これまで自分になんでもかんでも頼りきっていた母はさっさと姉に鞍替え。
これは手痛い仕打ち。
わたくしは使い捨てですか?
わたくしの人生はあなたにとってなんですか?

が、母の心身の健康のための介護なので自分はもちろん黒子だ。
母に主張する筋合いは無いといえば無い。


これまで介護をせず、病院にも連れて行ってくれず、
認知症に理解を示すどころか自分のやましさ、バツの悪さをここぞとばかり返上するかのごとく姉からは、
「ほら、あんたはやっぱり泥棒なのよ。だからお母さん急に悪くなっちゃってかわいそうに。」
と罵ってきた。

やっぱり?

母は物盗られ症だと説明したにも関わらずなので呆れて、
「ここまでやってきた人間を泥棒と思うならどうぞ警察へ。」(母からは先月入院前に警察に通報された)
(この程度の家族間のことは犯罪扱いには基本的にできないそう。
生活安全課がアドバイスをしてくれる。自分も受けた。姉の旦那さんは元警察官。)

すると、


「あっそ。いいのね。子供がいて母親が泥棒じゃ可愛そうだと思って見逃してやっていたのに、あっそ。
自分で警察に通報していいって言ったわね。言ったわよね。
じゃあするわね。はい、するわね。はい、あんたもう泥棒決定ねー。
子供がかわいそうねー。ああかわいそう、こんな母親で。」


「私は泥棒した覚えは一度もない。」


「あんたお母さんのこと認知症とか言っておいて自分の頭は大丈夫ぅ~?
笑っちゃうわ。ほんと。
お母さんあんたが留守の間に何度も盗みに入ってるって知ってるって。」


ば〇丸出し。

さすが元ヤン。高校時代警察に何度もお世話になってい性根は今も健在。
子供の喧嘩の言った言わないで”いつ・どこで・何時・何分・何曜日”を思い出し、
腹も立つがそれ以上にあまりのば〇さにウザくなってきてしまった。
介護をしたことないのが浮き彫り。
それどころか母親が認知症だと気づかない程気にかけてこなかったんだと唖然。



「あんた私のこと鬼畜外道だと思ってるんでしょ?前にそう言ったわよね。」

「うん。思ってるよ。」

しーーーーん     ←



見かねた旦那が「とにかくお母さんの現状を知らないなら把握してもらいたいので、
病院にお姉さんが一度連れて行って下さい。」と電話を代った。


旦那にさえ私に話すのと一緒のあの口調でまくしたてたようだ。
母と姉は、わたくしは泥棒で、旦那は口の上手いペテン師だと言っているそうだ。


電話を切り、毒気に当てられたから毒消しだとビールをの飲みながら旦那は、
「やっぱおねーたま最高!全然変わってない!もうキタキターってうれしくなっちゃったよ。
姉は血の気多すぎで、妹は一升瓶(の量)輸血ってこうも違うとすごい姉妹だな。」
とゲラゲラ笑っている。


「お姉ちゃん変わってなくてびっくり。ずっとあのままなのかな?」


「駄目、変わっちゃ駄目。面白すぎるから。」と喜ぶ旦那。  
ちっとも面白くないわよっっ!!


姉はわたくしより10歳年上!
旦那もですけどね。

若いよ、ほんと。 てか幼稚で呆れる。 
こんな時に母の心配よりも、父からずっと真面目に介護をしている妹に攻撃する方が先という・・・。

彼女の脳天に雷がおちますように。

「え~、雷のショックでまともになっちゃったらつまんないな。
だってこうきて欲しいなって思ったとおりの面白さは貴重だろ。
俺、ののちゃん(号泣の野々村元議員)より好きかもあの反応。」

旦那もけっこう言いたい放題。




母が通報した時の警察官に旦那が問合せをした。
その警察官も亡くなったお父さんがパーキンソン型の認知症でずいぶん苦労したそうで、
親身に相談にのってくれたようだ。
なんだかんだ言っても、あまりにも妻がかわいそうなので、場合によっては姉を刑事告発できるか聞いたそう。)

あの警察官、どうりでわたくしに事情聴取の電話を掛けてきた時、
「じゃ認知症って報告書かいときますねー。」と明朗会計な対応だと思った。


「あれは俺の相談より向こうの苦労話の方が長かったな。」  ←

介護はそれぞれ違うけれど、苦労はどこも似たり寄ったりだ。


「ママもさ、認知症とあんなの(姉)をまともに相手にしても馬鹿馬鹿しいだけだから。
そんなんでまた体に負担かけたら損するのは自分だからな。」
と言わた。

ママは真面目だから(旦那比)体が命を守る為に病気で動けなくした。
もう真剣に介護する段階じゃない、ママの手に負える状態じゃないってことだと。

きっとその通りで、もうそんな心身の余力ないし、自分の家族に迷惑がかかる。
旦那もわたくしをものすごく心配し、
母の対応やら介護士への連絡やら、矢面に立ち良くやってくれてとても感謝している。


入院していた病棟は周りに重症な方が多かったこともあり、
自分も自分の寿命と相談するように考えが変わった。


介護ウツで自殺をしてしまった友人の旦那さんには
「実際に介護をしている側に後ろめたさは必要ないよ。けして頑張らない。」
と言葉をもらっている。
彼の言葉は知っている誰よりも重い。


こうなったのも母の人生。
いいことも悪いことも被るのは自分の人生。
助け合うことはできても、変わってあげることはできない。

母とのいい思い出も、うちの子供を(孫)ありえないくらい可愛がってくれたことは感謝しきれない。
保育園を休んでる時にみてもらわなければ働きに行けなかった。
母の世話をするといつもいつもありがとうねって言ってもらっていた。

あのお母さんとはたぶんもう二度と会えない。
お母さんはいるのに。


母は妄想の中で一番信用していた娘が泥棒だと苦しんでいるのだろう。
そう思うと涙が出てくる。

泣いてもしかたないから、あとは良かれと思うことを、黙々とやっていこう。
なんだ、今までと同じじゃないか。
なんだ。
大事なものは何もゆるがないじゃないか。



お父さんはいつお母さんを連れて行ってくれるのだろうか。
ねぇ、お父さん。

そんなことを考えてしまう今年のお盆の入りだ。





スポンサーサイト
別窓 | † 薬箱【介護思い健康】 | ∧top | under∨
| † 箱庭のHEAVEN † |